「タイヤチェーン装着義務化」ニュースに思う

12月11日、「タイヤチェーン装着義務化」という見出しのニュースが報道され、ネットが騒然となったという話があります。これは特に雪が多い地方に住み暮らしているドライバーたちの反感を買ったようで、「チェーンの装着を義務化するなんてばかげている」「雪国のことを分かっていない」という声が多数見られたということです。

この件、実はこのニュースで指定された区間が常時タイヤチェーンの装着義務となるわけではなく、「大雪などの緊急時にチェーンを装着すれば走行が可能」という内容だったのですが、これが誤解された上にSNSなどで広まってしまったのでした。こういった誤解やデマはどのように広がっていくのでしょうか?

ニュースでの報道を見ると…

『タイヤチェーン装着義務化 全国の13区間公表』

大雪による大規模な立往生を防ぐため、国土交通省は、タイヤへのチェーンの装着を義務づける全国の13区間を公表しました。

ことし2月の大雪では、福井県から石川県にかけての国道8号線で、およそ1500台の車が動けなくなり、解消までに3日間かかるなど、近年、大規模な立往生が相次いでいます。

このため国土交通省は、大雪が予想される際には過去に大規模な立往生が発生した区間などで、タイヤへのチェーンの装着を義務づけることにしていて、対象となる全国の13の区間を公表しました。(以下略) | NHK NEWS WEBより引用

確かに見出しを見て、内容もよく読まないと指定された区間がチェーン装着が義務化されると誤解しそうです。ここで誤解してしまった人達は憤り、短絡的にSNSに発信してしまいます。(もちろんシェアやリツイートも同様です)

しかしよ~く読むと「大雪が予想される際には」と書かれていますね。

元ネタである国土交通省の発表は?

では国土交通省のプレスリリースを見てみましょう。

(前略)〇 このうち、チェーン規制については、
・時期:大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪時※
※ 平成 29 年度は、大雪特別警報の発令はなく、大雪に対する緊急発表は3回。
・場所:勾配の大きい峠部でこれまでに大規模な立ち往生などが発生した区間を対象として、従来であれば通行止めとなる状況においてタイヤチェーン装着車のみ通行を可能とするものですが、(後略)| 国土交通省プレスリリース(PDF)より引用

上記の通り、「異例の降雪時」に「タイヤチェーン装着車のみ通行を可能とする」と明記されています。なんだか先のニュースとはニュアンスが違う気がしてしまいますね。先のニュースを見て「オヤっ?」と思ったとしても、冷静な方は他の関連記事を調べてみたり、このような発表元の文書にあたったりします。そして「あー、そういうことか」と胸をなでおろすのです。

誤報やデマの拡散をさせないために

SNSというものは面白かったり、刺激的な話題はまたたく間に「拡散」されます。対象がハッキリしている時は「炎上」します。これはSNSがそういう特性を持っているので仕方がないことです。

しかし、あなたが見たり聞いたりしたことを、面白いから、あるいはみんなに伝えたいからと、そのままネットに垂れ流してはいませんか? その情報は真実であると確信できますか?

すべての情報の真偽を確かめることは非常に難しく、面倒です。であれば真偽のわからない情報をネットに流すことを踏みとどまりましょう! あなたが拡散することを止めれば、ほんの少しだけ拡散が抑えられます。これは簡単に発信ができる現在のネット利用のリテラシーとして、ぜひ実践していただきたいです。

さいごに

今回のケースはニュース報道の誤解から生じたものと言えると思いますが、ネットにはデマや「悪意を持って、読んだ人を扇動するために作られたニュース=フェイクニュース」というものも出回っています。まったくのジョークで済む話ならともかく、デマなどを流されてしまった関係者は何かしらの被害を被ることがほとんどだと思います。

そういったデマやフェイクニュースとの付き合い方については以下の記事が参考になりますので、ぜひご一読していただいて、心の準備をしてくださいね。

私たちはネットの「デマ」や「フェイクニュース」とどう付き合うべきか | ITmedia news